
今回は久しぶりにワールドレポートを送ります。海外を転戦、キャンプ等で訪れる中で、どうして日本は、西洋人のレベルまで強くなる選手がなかなか出ないのかを時々考えます。
一つにはその国のスポーツ事情。日本では、メジャースポーツにほとんどの才能が行く事で、トライアスロンに才能が来づらい環境にあります。報道もメジャースポーツがほぼ100%で、時々他のスポーツが報道されたり放映されるので、子供達がトライアスロンに映像から憧れをいだく事はほとんどなく、厳しい現実があります。
ところが、イギリスでは、陸上や競泳ではトップの数人しかプロとして生活をしていくことが出来ないため、スイム、ランに才能がある選手は、トライアスロンに流れる傾向が強いそうです。うらやましい!
フランスでは30年かけて国や中央団体で育んできたクラブチームが現在力をつけています。300から500人在籍するトライアスロンクラブが全国に50以上あり、数十人規模のクラブは無数にあり、数える事が出来ないと言います。
フランスの人口は日本の約三分の二である事を考えると、これはとんでもない数字です。また西洋諸国では、他国の指導者や環境を求めて移動し、その拠点で年間を通じて練習を行ったり、季節ごとにベストな場所に移動して練習する事が普通になっています。より良い環境に才能がある選手達が、集まってくる事は、お互いに刺激しあい、新しい知識や技術を習得する事にもつながります。このようなシステムを持つ西洋諸国に対して、日本が伍して戦う事は本当に難しい事だと思います。
またこれだけ物価が高くなり、世界中で宿泊費や食費も高騰する中で、先進の西洋諸国では、ナショナルトレーニングセンターで、3食1万円を切る経費で受け入れてくれたり、政府のプログラムで、海外の選手を食費、宿泊費タダで受け入れる国もあります。そこには優秀な選手が自国で練習を積んでくれる事で、情報知識をもらい、自国の選手達が強くなるためという、したたかな戦略もあるようです。
日本人として今後世界に戦いを挑むには、このような世界の流れに乗りつつも、日本人独自のスタイルを確立していく事でしょう。私とニナー賢治が世界の舞台に挑戦出来ているのも、このようなネットワークの中に入り込み、うまくお互いにギブアンドテイクの信頼関係を築いてきたことが大きいと思います。この先のロサンゼルスオリンピックに向けて、更に日本人独自の思考や技術も武器に世界戦って参ります。
~「月刊トレーニングアドバイス」として、月に1回会員様限定で配信している塾長コラムを、1ケ月遅れてこちらのブログに掲載しています~


