長距離走のロードレースでは、100%といっても良いほど、選手達に普及した厚底シューズ。
発売当初はナイキが独壇場で他のメーカーは相当苦境に立たされた。箱根駅伝では、ほぼ100%の選手達が、ナイキで走るという異常事態。ライバルメーカーは巻き返しに全力を注ぎ、現在では多くのメーカーから、ナイキ製に劣らないクオリティの厚底シューズが販売されるに至った。
厚底シューズの効果はすさまじく、当時はトラックレースでも許可されていたが、ワールドアスレティック(国際陸連)は、25㎜以下のシューズしか、トラックレースでは使用できないという規制を作ったほど。マラソンについては、現在も使用できるものもあるので、実業団の監督にお話を伺うと、選手によっては3分以上今までのシューズよりも速く走れるのではないかと言っていた。確か
に厚底シューズ登場以前は、男子で2時間10分を切る事は一握りの選手達が成しえる偉業だったが、現在では何十人も2時間一桁で走る選手がいる。これについてもやがて規制が入るのではという噂もある。
最後にこのシューズを履くにあたってのポイントを少し書いてみました。まずは厚底シューズと言っても、メーカーやシューズの種類で乗るポイントが違う事。良い位置で踏み込むと、前に体を飛ばしてくれるように走れるが、乗るポイントがずれていると、上手くシューズの力を使えないという。
その辺りを感じられる感覚とランニング技術が求められるという事だ。
そして普段の練習でも常に厚底シューズを使用する事は、おススメ出来ない。シューズにばねがあるため、走り方も変わるし筋力が普段のシューズを使用するよりも必要がなくなり、筋力が落ちるとも言われている。そしてこの事から故障にもつながる可能性が高くなると言う。つまり普段の練習は今までのランニングシューズで行い、ポイント練習やレースの時だけ厚底シューズを使う事がおススメと言う事になる。ご参考になれば幸いです。
~「月刊トレーニングアドバイス」として、月に1回会員様限定で配信している塾長コラムを、1ケ月遅れてこちらのブログに掲載しています~
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