これは私自身の話です。私は26歳で競技を辞めて、日本人初のプロコーチになりました。年齢的にはまだまだ選手として頑張れる年なのですが、日本には競技者を指導する本格的なコーチがいませんでした。そこで私は決断し、若いうちからコーチ業をはじめました。
しかし若いコーチは、まだまだ知識も経験も技術も足りないため、自分も身体を動かして、背中で選手達を引っ張る事を心がけました。その結果、アップもしないで本練習を選手と走ったり、全力でもがいたりして、筋肉を痛めたり、鎖骨が折れたまま、ランニングの指導をしたりと、無茶をしていました。宮古島大会では大会1か月前に子供たちと全力で走り、軽く肉離れ、大会まで走らずに、強引に出場。ラン2㎞までは問題なく走れたのですが、そこでまた肉離れ。残り40㎞を肉離れしたまま走るというひどい事も。
その結果、40歳を過ぎたころから、寒い日に軽くジョグしただけで、昔の古傷が、ピリッと肉離れ。それを毎年のように繰り返し、もう自分は元気に走れない身体になってしまったと思いました。だましだまし、暖かい日にゆっくりジョグや、冬は走らないなどしながら50歳を迎えました。
東京オリンピックが終わるまではそんな感じで、やっていましたが、ある時筋肉を触ってみると、ものすごく硬い。こんなに硬くてはすぐに肉離れすると思い、その日からゴリゴリ、しこりがある場所を癖になるくらいにセルフマッサージをする事にしました。するとどうでしょう!筋肉が徐々に柔らかくなり、結果あれだけ苦しんできた、ちっちゃい肉離れをしなくなったのです。今は選手とスプリントをしても大丈夫になりました。
つまりメンテナンスが出来ていなかった。どんなことでもそうですが、事前準備とアフターケアを丁寧にすることで、物でも身体でも壊れずに動いてくれる。
50歳を過ぎて、恥ずかしながら当たり前の事に氣づいたのでした。皆さんの中にも同じような症状の方はいませんか?毎日ストレッチ、筋トレ、筋肉のケアを怠らなければ、身体は応えてくれますよ。
~「月刊トレーニングアドバイス」として、月に1回会員様限定で配信している塾長コラムを、1ケ月遅れてこちらのブログに掲載しています~
トライアスロンスクール宇都宮村上塾
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