4月19日、アジア選手権のため私は広島廿日市に移動した。開催日は4月24日だが、それまでの期間、完全にホテルに選手、スタッフは閉じ込もらなければならなかった。そしてほぼ毎日PCR検査を実施。選手たちの練習時間は毎日1時間30分許可されていて、それ以外は部屋の中から出てはいけない、食事は3度お弁当が運ばれて来るという状況だった。

当然トレーニングのやり方も工夫が必要だ。基本を室内バイクローラー（固定、三本）で行い、筋トレ、ストレッチ、コア、ドリルは狭い自分の部屋の中でこなしていく。選手達はそんな日々を過ごしていた。コーチと選手でアイデアを出して、狭い空間でもできるワークアウトを編み出すことも行った。

今回のオペレーションはトライアスロン界としても初の試みで、海外からも選手、スタッフを受け入れて、無事に大会を成功させることは本当に難しい事だったと思う。大会を運営していただいた関係者の皆様には改めて感謝したい。

コロナ禍の中、大会は今までの常識では考えられない新しいルールを生み出すし、難しい判断の連続であった。それでも我々現場の人間は、新しい常識に適応して、選手が輝くレースという舞台を守っていかなければならない。レースを出来ることが、スポーツの生命線だとも思うからだ。どのスポーツでも、関係者は死に物狂いで自分達のスポーツを守り、育む努力を日々続けている。
オリンピックが開催されるかどうかは、依然として見えない日々が続くが、スポーツという文化を守るためにも、どんな形であれ、私は開催してほしいと考えている。

～「月刊トレーニングアドバイス」として、月に１回会員様限定で配信している塾長コラムを、1ケ月遅れてこちらのブログに掲載しています～

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