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チームブログ

カテゴリ : 塾長ブログ

2022年12月1日

Vol128…強度コントロールの初級編

長距離種目には、負荷(強度)の設定がタイムアップのカギとなります。
何十年も前は、感覚で強度を設定したり、もっとガンバレ、氣合が入っていないなどと、コーチが選手に喝をいれて、ガンガン練習させるスタイルが当たり前でした。今でもそういうやり方でやっている指導者も多いのが実際のようですがそれでは、国内では戦えても、世界のトップ選手が育つことはありません。

今回はどのように強度設定をするのか、ヒントになるよう書いてみたいと思います。
そもそも10人選手がいれば、一人一人の能力は違います。能力が近い選手はいるかもしれませんが、筋力が強い、持久力が優れている、スピードがあるなど、一人一人特性があるのが当たり前です。

ではどのように見極めて、強度を決定するのか。私が5年近く一緒に練習してきたノルウェーチームは、乳酸測定をゴールドスタンダートとしています。その結果、ブルーメンフェルトが、東京で金メダル、その後のアイアンマンでも新記録の樹立。
そして、この秋に開催されたハワイアイアンマンでは、同じノルウェーチームのグスタフエイデン選手が、ハワイで勝利しました。この事からも乳酸の値を確認しながら強度を設定する事は、確実に効果がある事はわかります。しかし問題は、通常乳酸を測りながら、我々はトレーニングが出来ないという事です。

それではどうするか。私からの提案はハートレートと自転車のワットを使う事。
練習をする時に、スマートウォッチやGPSウォッチを使う。そして自転車ではワットメーターを使う。かつてはそのようなトレーニングスタイルは、トップ選手達の中では、あまり好まれませんでしたが、現在は世界のトップ選手達はほぼ100%、このような指標を使って練習していると言えるでしょう。

具体的には、エアロビックゾーンを3段階に分けて行う事をお勧めします。簡単にお話しすると、レースの時に全力で頑張っているポイントがLT(AT)ポイント。そしてその下にLT2、さらにその下にLT1のポイントを作ります。厳密にはノルウェー式のテストをしないとわからないのですが、感覚でもある程度効果はあります。
LT1は気持ちよく何時間でも継続できるペースの練習。LT2はレースペースより低い強度で10分を4~6回繰り返すような練習。LTは全力でレースする強度。その時の心拍数とワットをしっかりと測る事が大事です。

上記のようにだいたいの感覚で心拍数、ワットを規定して、後は練習の比率です。
今のようなオフシーズンはLT1メインで80~90%。残り10~20%をLT2という感じです。
そしてシーズンが近くなってきたら、LT1を60%、LT2を30%、LTを10%というように徐々に高い強度の練習が増えてくるようにします。だいたいで構いませんので、このような考え方でプチノルウェー式トレーニングをやってみてはいかがでしょうか?

~「月刊トレーニングアドバイス」として、月に1回会員様限定で配信している塾長コラムを、1ケ月遅れてこちらのブログに掲載しています~

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